ナカミチIA-1z

2001/2/25

リトルプラネットをninoに貸し出したので、数ヶ月ぶりにナカミチのSP端子にFB1を繋げました。

IA-1zは、メインページでも紹介させていただいておりますが、ドルビーデジタル、DVDが世に出たばかり、LINNやメリディアンと比肩するハイエンドモデルと誉れ高かったCA-1、PA-1を一体化させたIA(インテグレーティッド・アンプ)版です。

購入の経緯は、YAMAHAのA3090かDENONのA1、あるいは3800に的を絞っていたところ、店頭試聴したところ、あまりに次元の違う音に一発で惚れこんでしまったモデルです。

私たちの世代ではナカミチといえば、国産オーディオの雄としてのブランドイメージもあり、実売で予算が倍に跳ね上がり、清水の舞台から飛び降りるくらいの勇気をもって手に入れたモデルでもあります。(定価33万で、実売も同じ)


ナカミチIA-1z 97年4月発売

購入当初の印象としては、黒い重厚なアルミのフロントパネルとアンバーオレンジのボリュームやモード表示が醸し出す、「いかにもイイ音しまっせ」というたくましさがありました。

ボリュームやモードの主要なボタンもアルミ製でできており「モノ」としてとてつもない魅力を感じたものです

リアのSP端子も下手に入力系統を欲張っていないこともあり、十分な広さがあり、電源ブラグの交換式のインレットタイプと、オーディオ用の2chアンプとしての使用を前提につくられたモデルでもあります。

事実、ナカミチのオーディオ用のアンプはこれ以降、一切発売されておらず、後継モデルも日本ではAV10が発売されただけにとどまります。

USではIA-1zにdtsオプションがあるんですが、国内ではそのサービスには対応しない模様。

音に関しては、DVDのドルビーデジタルについては、当時発表されたばかりのモトローラの24bitデコーダー56009をいち早く採用し、(この当時はDENON、YAMAHA、LINNにせよZORANの20bitデコーダーが主力でした。その後、SONY、KENWOOD各社が同モトローラを採用し、アナログデバイセス社の32bitチップがでるまでの主力チップに君臨していました。YAMAHAはその後チップを自社開発に切り替え現在にいたるのは周知のとおりです)また、これまでのAVアンプの音質劣化の必要悪だった、チャンネルごとのボリュームやトーン回路をひとつのチップに集約したデジタルアッテネータにより、オーディオ用としても通用するクオリティを優先したとされていました。

たしかに、サラウンドモードはドルビーデジタル(AC-3)とプロロジックのみとなっており、2ch時は、サラウンド回路はバイパスするoffモードとなり、一般的なトーン補正回路もなく、左右のバランスもすべてデジタルアッテネーターで処理されます。

また、パワーアンプ部分は、80W×5chで2ch時には100W×2になる仕様となっており、ナカミチの開発したとされるHTA(ハーモニックタイイムアライメント)というテクノロジーにより、高域と低域の時間差のズレを補正するなどという説明がありました。

とまあ、スペックばかりのウンチクばかりを説明してもしかたがないのですが、それまでつかっていたDENONの2030に比べると、そりゃまあ全然違う音が出たものです。

DENONの2030では、サラウンドモードとCDダイレクトモードでの音質の差はいちじるしく、CDダイレクトの音を知ってからは、映画であってもCDダイレクトをつかって聴いていたものですが、ナカミチに変えてからは2ch、プロロジックともDENONのCDダイレクトとは別物の音を聴かせてたのが印象的でもありました。

その後、MITの電源ケーブルで武装され、スピーカーがPMCとなっても、特段の不満なく活躍してくれましたが、リトルプラネットが来てからは、D/Aコンバーター兼プリアンプとして、またドルビーデジタル再生時にはデコーダー&リア出力としての機能で毎日活躍しております。

とくに搭載のD/Aコンバーターについては、CDP-X5000とデジタル接続され、解像度と見通しのよい音を楽しませてくれる最高のマシンであります。

さて、前置きが相当にながくなってしまいましたが、あらためてのナカミチサウンドのレポートです。

今回はじめてHTA回路によるナカミチの音作りというのが理解できたような気がします。

リトルプラネットと比べると、よい意味でもわるい意味でも「あまい」音を聴かせてくれます。

音を文章で表現するのは、とかく難しいものなんですが、

リトルプラネットに比べると、

  • 音像がやや大きく、フォカースの甘さがある
  • やや中低域の量が多めで、AV用途
  • 音の立ち上がりが、一歩二歩遅れるとともに響きの収束が遅い
  • 音場の拡がりと中央定位の差(音場全体のコントラスト)が少なく立体感にかける

具体的に大きく違いを感ずるのは、ピアノの音やライブでの拍手でのリアリティ・生々しさ、ベースなどの中低域の量、中央に定位するボーカルや弦楽器ソロなどのフォーカスと解像度です。

中央と左右の立体感はでているのですが、リトルプラネットに比べ、奥行き方向でのコントラストが少ないといった感じです。

音量を上げたときのやかましさも感じられます

これらは、リトルプラネットに慣れた耳にとって、不満に感ずる点ですが、一方で、中低域の温度感・柔らかさという点についてはナカミチの最大の特徴と思われるHTAのよさがでているように思われます。

ただしこれらは、あくまでもリトルプラネットとの比較においてであり、これまで店頭などで試聴した経験のでは、IA-1zの音は、柔らかさのなかにも芯があり広がりという点においても、国産の高級AVアンプとはまったく違う上品さと聴きづかれのない柔らかさが感じられます。

とくに、マイスターミュージックのワンポイントマイクによるHDダイレクト録音のソース(56号で紹介)とのマッチングにおいてはは、ホールのイメージとしてはリトルプラネットより雰囲気があって楽しめます。とくにこのソースはチェロにせよ、ピアノにせよ、ビシっとフォーカスよくとらえたものではないので、リトルプラネットで鳴らすと、少し中途半端に聴こえてしまうということもあります。

マイスターのワンポイント収録・ダイレクトカッティング


メディテーション

ラルゴ

パストラル

MM-1072

MM-1095

MM-1096

ただここで、ひとつ落とし穴が・・・・ 次号へ

おそらく、ナカミチに合うのは、PMCのようなモニター的SPよりも、ステラメロディやソーナスといったSPなのかもしれません。またソースについてもSONYのX5000よりもいいパートナーがあるのだと感じました。

取扱の店舗少なく流通量が極めてすくないモデルなので、中古、個人売買を通してもなかなか出会えないモデルかもしれませんが、機会があればぜひ最新のAVアンプと比べてみていただきたい。bebe'sの推奨モデルです